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大人
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作詞 しらゆき |
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誰もが大人には歯向かえない。
偽りも隠し事もできない。
罰を下されるのはいつも、
罰を下せない私たち。
誰もが大人に憧れを持ち、
早く支配する側になりたい。
それを否定する大人が分からない。
制服とかいう鎧を着せて、
興味のない道徳を教えて、
「お前のため」とか決まり文句で、
今日も一日を殺されている。
努力したって形に残らなきゃ、
才能を目一杯に活かせなきゃ、
学んだことで変化を生まなくちゃ、
認められない世界が嫌い。
大人を得体の知れない怪物と思ってました。
都合の良い脳で消した過去。
古びた苛立ちをぶつけるエゴ。
呼吸の時間で呼び名が変わる、
世界の理屈が分からない。
二十年生きなきゃ自由になれない、
世界の理屈が分からない。
誰もが目指し憧れている、
理想像は美化されすぎている。
汗を拭って、涙を流して、
働き続けるだけで綺麗に見えて。
社会を作っているのも、
社会を汚しているのも、
悪知恵を働かせている大人だろう。
理不尽なルールで縛って、
破れば体罰を食らって。
健康に適した食事を、
分け与えるように食わせて。
責任を一人に負わせて、
失敗するたびに仲間割れ。
下らないことに群がって、
指差し笑うのは大人だけ。
上手くいかないことを全部、
仲間のせいにしすぎている。
自分の弱さから逃げている、
だからいつまでも強くなれず。
「親不孝者」っていう言葉は、
反面教師のお前等に似合いすぎている。
それに従う義理はない。
自由は駄目人間の餌だと学びました。
権力に溺れりゃ愛が散り、
強欲が増せば理性が死ぬ。
酒と煙草と女に酔えば、
正当性など理解不能。
縛られた世界じゃなきゃ生きられない、
それを知ったはずだけど。
知っていたけど。
息苦しい、
生きづらい、
意志は強いが意味がない、
行き場がない、
この感情をどうしようもない。
待てど暮らせど春は来ない、
いつまでも大人になれない。
嫌いなものは憧れているもの。
お前等の手を借りずとも
時間が経てば自然と自由になるが、
過程を支える存在の必要性は計り知れない。
感謝が言えない、
謝罪が言えない、
まだまだ未熟者だから素直になれない。
認めたくない気持ちが、
分かった気でいる大人を許さない。
抱きしめる手を払いたくなる。
優しく温かいものは壊したくなる。
上手く言葉で言えないときもある。
全てを否定して馬鹿にしたくなる。
感情を抑えられなくなる。
それが暴力になってしまうこともある。
それでも、愛に気づくときは来る。
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