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双子の噺
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作詞 紫煙@Cian |
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西の王女 東の王子
絡まり解けぬ運命に呑まれる
哀れで愚かな双子の噺
そして歯車は回り始めた
ー王子の回想ー
わたし達は生まれ落ちた
小さく平和なこの国に
其の日から使命を賜り
未来の冠を託される
だけど不意に戦火に襲われ
繋いでいた手は引き裂かれた
幼くして失った温もりが
今も焼き付いて離れない
例え今手が届かなくとも
君の無事を信じている
必ず会いにいくから
どうか笑っていて
西の王女 東の王子
焼き切れ縺れた運命に呑まれる
悲しく儚い双子の噺
そして歯車は歪み始めた
ー王子の嘆きー
何の悪戯か運命か
わたしと君は再会した
其れは平和とは云い難い
戦火に散った赤色の上で
記憶を失くした王女様
片割れが分かる筈もなく
怒りに染まる目の儘で
赤の開花を止めやしない
小さな王国は滅ぼされ
わたしの自由は奪われた
君はこの数年の間
何を見たの?
西の王女 東の王子
解けて消えた運命に呑まれる
虚ろで憂いな双子の噺
そして歯車は壊れ始めた
ー王子の懺悔ー
解けてしまった心は
今更結び直せはしない
離れた温もりの痛みが
心を刺して消えてくれない
わたしの灯は消えるだろう
君の手を悪に染めて
其れが運命というのなら
神にでも逆らおう
「思い残す 事はない」と
言ってしまえば嘘になる
せめて君を救うために
わたしは そうだね
地獄を選ぶ
西の王女 東の王子
堕ちて砕けた運命に呑まれる
拙く罪深い双子の噺
そして歯車は軋み始めた
ー王子の最期ー
処刑を待つ罪人となった
わたしを次は空が嗤う
いくらでも罵るがいいさ
あの子の世界が柔くなるなら
内袖のナイフを握り
自由を奪う縄を切る
次の瞬間側にいた
王女の兵を刺し貫いた
非難の目は罵声に変わり
あの子から逸れ此方へ向く
どうして泣きそうなの
どうか笑っていて
西の王女 東の王子
離れて消えた運命は一つ
幕引きへ向かう双子の噺
そして歯車は役目を終えた
いつか生まれ変われる日まで
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