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collage
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作詞 つきなみゆうき |
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誰かの許可がないと 道端に咲く花すら
気軽に摘めないんだと 昔先生に怒られたな
春風強まる午後の交差点 花弁震わせて
ひっそり咲く小さな一輪 ポツンと 綺麗に
あぁ ごめん
生きてきた証明が欲しいって話だったね
それなら僕が幾人も唸らせたこの手で
素敵な葉書サイズのカードを手作りしよう
きみが選んだ大事な人達だけからもらった
一言を載せよう もちろん選別権利はきみにある
残して傷付くくらいなら 容赦なく忘れよう
きみのための「生きてきた証明」だからな
分かりやすく 真っ直ぐ 温かい言葉のみ
裏返った愛の言葉は 今回立入りをご遠慮頂こう
裏面はきみが産まれてから 見てきた景色を
もう一度一緒に巡って それをイラストに
昨日食べた晩ごはんも 思い出せないきみだから
この作業は苦痛を伴うかもな 少し頑張ってくれよ
笑えるもの 痛むもの 一枚一枚丁寧に描こう
喜びも 哀しみも 怒りも 絶望も 全部描こう
あぁ大丈夫 僕絵下手だから 色でカバーするよ
これは 一枚あたり極小サイズになりそうだね
いよいよ贅沢な画材で 惜しみなく色付けを
赤味青海黄身も白身も色鳥取りで選り取り緑
きみは自分の歴史に圧倒さ ルーペをつかって
あーだこーだ言いながらコラージュしよう さあ
ここまで来ればそろそろ苦情も出てくる頃かな
「ぼくの生きてきたこれまでが
そんなサイズに収まるわけないだろ」
ああごめん 知ってた知ってた
僕もきみの大事な人達も みんなみんなみんな
きみの命そもそも 誰かに見てもらいたくて
産まれたわけじゃ ないもんな
残念ながら世界も 前もってきみのために
用意されていたわけじゃ ないもんな
生き辛くて 意味を見いだせなくても
作り上げたカードは 既にきみの手の中だ
時々思い出すだろう 誰がそばにいなくとも
相手を褒めたら死ぬのかって世界で僕は
「居てくれて本当良かった」が 今週の口癖だ
きみが三途の川を渡る時も うるさく響くように
来週 馬鹿みたいに言ってる口癖も
巡り巡って きみの景色に 辿り着けばいいな
それが僕が生きてきた 証明にもなる
一昨日の晩ご飯みたいに パラパラと
きみの記憶から 剥がれていかない情景を
僕が貼られて嬉しかった言葉を 貼り付けていく
嫌なら貼り替えてしまえる力をどうか
再来週の口癖を言いたいが為にも
僕はきっと 生きてるだろう
信号待ちの僕の目を惹く 道路脇の一輪の花
僕の為に咲いたわけじゃないけど
凛として見えた 背筋が伸びる ありがとう
動き出す人の波 信号は進めの色
行こう
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