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ぽぴん
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作詞 brother sisters |
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卓子(テーブル)のうへの薄荷水
かほりたつシトロンの氣泡
夕暮れに混ざり合ひつゝ
遠ざかつてゆく下駄の音
みな帰路に就く時じくに
われ振り返つてみたら影ひとつ
貴方道端で呆けた儘
莫迦みたいに私を探してゐる
声を遣るのも些か吝かだから
其のはずれたやうな口に放る
振り向ゐて呉れなゐ貴方に空を鳴らす
軽く打つた空氣の飛礫喰らへ
硝子底を叩く曖昧微量な力加減
傾ゐだ素つ馘を刎ねて接吻をするの
茹だる盆の熱に背を押され
三々五々散りゞなる人影追つて
貴方何処往く譯も無く
迷子になつて手薬煉(てぐすね)を待つ
ほうら手えの鳴るほうへおゐでな
ひと昔まへに遊んだやうにしやう
五本の指を四本迄折つて遣るあひだ
狐につままれた顔で突つ立つて居るの
賢しらな襯衣(ワイシャツ)なんて似合つてないわ
高襟(ハイカラ)気取るな貴方が老ゐてしまふ
晒し木綿に灯す花の時雨が
風に靡ひて貴方の元迄
届かぬのは阻まれた想ひの嵩の所為か
振り向ゐて呉れなゐ貴方に空を鳴らす
軽く打つた空氣の飛礫喰らへ
硝子底を叩く曖昧微量な力加減
傾ゐだ素つ馘を刎ねて接吻をするの
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