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二言論
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作詞 夜城 雪祈(やしろ・ゆき) |
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シャッターの音が響く
真っ赤な夕焼けがデジカメの画面に写る
夕日がキレイな日に呟いた どうして夕日が赤いのかと
読書をしていたアナタが 「赤い光が一番遠くまで届くんだよ」
文字を追いながら素っ気なく 分かりやすく教えてくれた
一人言なのにと言えば 「こっちだって」なんて
ぶっきらぼうにそんなこと言っていたね
周りは変人て言うけれど アナタの一言は素敵に思えるの
なんて言えば 「変な奴」って言われた
でもそれってお互いさまさま
なんせワタシたち似たもの同士だから
フラッシュの光が閃めく
群青の空が携帯の画面に写る
青空がキレイな日に呟いた どうして空が青いのかと
眠っていたアナタが 「空の青さは空気の厚さなんだよ」
目を瞑ったままハッキリした口調で わかりやすく答えてくれた
素朴な疑問を呟けば
アナタはいつも丁寧に 分かりやすく答えてくれた
「なんで居るか」と聞くから
アナタといると愉しいからいいでしょう?
なんて言えば「ご勝手に」って言っていたね
でもしょうがないことカモね
変人なアナタに絡むワタシも変人だから
隣でページを捲りながら呟いた 「好きな人いるのかな」と
レンズを覗きながらアナタに いるよ ここに、て
勝手に答えるワタシ カメラをアナタに向ける
「オレ好きなんだよな」 小さな一人言
「ワタシも好きなんだよね」勝手に返す
シャッターが落ち着いた時 呟いた
アナタがキレイに笑ったからどうしてそんなにキレイかと
「幸せだからだろうね」なんてワタシのカメラを取って
スマートに答えてくれた
「写真撮ろうかな」なんて呟いて
アナタがシャッターを押した
眩しくて二人して目を瞑る
「目、瞑っちゃった」ハモった一人言に笑ちゃった
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