|
|
|
夜市
|
作詞 愚者 |
|
暗がりに潜む雨女
今日も浮体とエンヤラヤ
売り子も文句を垂れ流し
「ちょいとお一ついかがです?」
今宵も夜店を値踏みして
集り屋も口を揃えては
食わず嫌いの晩餐会
高値の褥を狂わそか
嗚呼、薄紅と燕尾服
絡む吐息に酔わされる
燻る朱に凭れて宵の秘め事
祭囃子が耳障りで
背徳心を手土産にして
アメを転がし口笛を鳴らす
出店目配せ雨男
提灯片手にフラフラリ
売り言葉には買い言葉
「どうぞ御試食あそばせて」
殺し文句を弾ませりゃ
ぼんやり灯りの向こう側
問わず語りのおべっかも
手招きホラ吹き与太話
嗚呼、夢を食み擦りきれて
絡む視線に酔わされる
燻る朱を貪る宵の痴れ者
やけに尖った舌触りで
道徳心も後の祭りさ
ハメを外した梔子の末路
あたい今宵は食わせ者
屋台の灯りに薄目を開けて
一切口外しないとて
嘯く二口洗いざらい
燻る朱に凭れて宵の秘め事
祭囃子が耳障りで
背徳心を手土産にして
アメを転がし口紅を直す
朱を貪る宵の痴れ者
やけに歯痒い舌触りで
道徳心も後の祭りさ
ハメを外した梔子の末路
|
|
|