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「恋愛狂想曲」終曲
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作詞 野馬知明 |
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「恋愛狂想曲」終曲
嗚呼、恋愛狂想曲
それは秋のある夕暮れのこと
枯れ葉のはらはらと風に舞い落ちるころ
木の実を拾って別れを告げた
蒼い瞳の優し気な男の思い出
また初時雨のその中を
赤いコートに赤い傘
肩を寒げにたゆまなく打ちふるわせて
「明日も会って」と去って行った
透き通る金髪の女の思い出
ああ、オパールの輝きを
二人の心に深々と残して消えた
果敢ない初霜のような淡い恋
初めて二人が恋を語った
あの燦々と陽の降り注ぐ春の日の
何とも言えない心地よい
微風の微笑むような感触を
この曲だけが教えてくれる
遂には結ばれずに終わったが、
いつまでも、いつまでも
とこしえに、いつまでも
二人の心に高らかと奏でてやまず
二人は何ゆえに別れざるを得なかったのか
その比類なき、たぐいまれなる恋愛の
妙なる甘美なるあまたの機微を
この曲だけが
この曲だけが知っている。
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