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【海月なわたし】
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作詞 Kite |
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嗚呼、なんだ。
この胸に「わだかまる感情は?」
この虚しさは「何を」訴えている?
何にもない空っぽな、わたしに……。
海面から覗いた白い日和に、
鮮やかな花々。
「わたしは……」観測されない。
観測するだけのわたしは、
如何にも「滑稽だ。」
まるで透明の海月のように、
ただ揺らいでいるだけだ。
あの陽を浴びたいけれど、
あの空を求めれば、
躊躇いなく排斥されてしまう。
わたしは、
そんなに「醜い生き物か?」
わたしが何をしても、願っても、
誰も彼もがわたしを色眼鏡で捉えて、
この世界から遠ざけようとする。
透明人間なわたしにだって、
心がちゃんとあるよ。
イタい……イタいよ。
凄く、イタいよ――
あの場所に行きたいよ。
……居たいよ。
何者にも色を染めてしまう。
自分を持たない透明なわたしにだって、
「何か」を求める権利くらいはあるはずだ。
見難い明りに当てられて光るわたしは、
僅かな光源―ひかり―で輝ける
透明な海月と同じだ。
やっぱり……
「醜い生き物」は「滑稽か?」
そんなわたしの姿を、
ユーモアと捉えてほしい。
明りに合わせて輝けるなら、
「わたしだって……」
あの名もない花のように、
綺麗な花を咲かせられる。
きっと、成れるはずだ。
「わたし」は……
「海月」は……
知らなかっただけなんだ。
この感情の答えを。
誰かに依存したいだけなんだってこと。
「なんて、愚かだ……」と嘆くな。
誰かこっちを向いて……
わたしを見てほしいんだ。
この虚しさの答えを知った……。
何もない空っぽなわたし。
何者にも色を合わせてしまう透明な海月。
誰も彼もじゃなかった。
色眼鏡で視ていたのは、
結局、わたしの方だった。
わたしだって、花を咲かせたい。
海面から揺らぐ鮮やかな花たち。
透明な海月のわたし、だって――
あの場所に行きたいよ。
飛び出したいよ。
不透明はわたしに……
成りたいんだ。
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