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【エゴイズム】
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作詞 Kite |
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これは妄想でも幻想でも、
ましてや理想でもない。
ただのわたしの現実……。
物心ついた時から、
憧れていた。
まだ本当の恋が、
どんなものか分からない。
それでも、学校なんかでモテはやされる
カッコいいとかスタイルいいとかじゃなくて、
この胸を焦がすほどの、
どうしようもない恋がしたかった。
なのに、わたしは……
「好き」と想われたいのに、
「好き」と言われたくない。
相反する矛盾が芽生えてしまった。
好きな人が想いを伝えてくれるたびに、
わたしのなかの「好き」って言葉の価値が
下がってしまう気がした。
「ごめんね……」
こんなにも、ひねくれているわたしを
受け入れてほしいよ。
普段はなんてことないのに、
恋をした女性は素直になれないなんて
迷信だと思っていた。
だけど、間違いだった……
わたしは誰よりも本心を偽ってしまう。
「なんで?」「どうして?」
いくら問いかけても答えは返ってこない。
「こんな態度取りたくないのに……」
「かわいい」と言われたいのに、
「かわいい」と想われたくない。
わたしはもう子供じゃない。遊びじゃない。
この付き合いは真剣なんだって、
意地を張って拗ねてしまった。
どこまでも、面倒なわたしでも
素直に受け止めてほしいな。
ホントは……
君の「笑顔が好きだ」「仕草が好きだ」「話し方が好きだ」
君の「髪が綺麗だ」「瞳が綺麗だ」「肌が綺麗だ」
いつも「一人で膝を抱えている寂しがり屋の君が愛しいよ」みたいに、
ぜんぶ、全部言われて生きたいよ……。
あなたを想うこの気持ちはもっと、もっと……
もっと、わたしを独占してよ。
「好き」と想われたいのに、言われたくない。
わたしの矛盾した感情が乱れて止まない。
「かわいい」と言われたいの、想われたくない。
もっと大人扱いしてほしいよ。
「かわいい」と想って、「綺麗」だと言ってよ……。
でもやっぱり、もっと子供扱いしてほしいの。
好きな人の想いが伝わるたびに、
わたしのなかの「恋心」が制御できなくなった。
「なんて欲張りな、わたしなんだ」
こんなにも、恋に焦がれるわたしを
好きになってほしいんだ。
抱きしめてほしかった。
わたしの、ズルいズルいエゴイズムが止まらないの。
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