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No.88
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作詞 歪み |
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太陽のようなあなたは眩しい
その笑顔は常に輝きを纏っている
前を見て進み続けるのだと言う
「振り返らず、足元は転ばないように時々見るけれど
さあ、前を向くんだ
あの先にある華々しい幸福な未来に向かって」
そう言ってあなたは歩き続けるのだ
僕はその背中を眺める
後光に目を眩ませながら
あなたが歩いたその道の上にある
芽吹きかけた花の折れた茎が薄く土を被る
あなたは未来に期待する
先を見て歩き続ける
素晴らしい前向きな心の明るさが
暗闇を照らす陽の光のように眩しい
誰かが育てた大きな幸福の花を目指して歩く
決められた幸福の名前の書かれた地図を手に
僕はその背について歩く
見つけて貰えず踏み躙られて割れた種
潰されずに転がったその幸福の種を僕は見つける
足元に転がるいくつもの種があるのに
常に光の中にいるあなたは
白飛びした地面の小さな幸福たちに気付かないまま
ただ大きな大きな幸福を目指している
儚く大きなその花に向かう
僕は再び種を見つけて水をあげた
自分が育てた花の未来の姿に期待する
いつまでも縮まらない幸福との距離に
あなたはその日、膝を折った
僕はその背を押すこともなく
あなたがそうであったように
自分の道を歩き続ける
いくつかの小さな幸福を育てながら
いつしかあの大きな花は枯れていた
あなたが次の幸福の種になれるように
僕は時折振り返り ただ歩き続ける
あなたは太陽のような人だった
その太陽を浴びて 花は育つ
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