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No.71
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作詞 歪み |
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爪先立ちで見た窓の向こう
硝子越しに広がる未来の中に 僕の背中はあるだろうか
君の横顔も隣に見つかればいいのにな
儚い夢だと嘲った あの夜を覚えているか
泣きべそをかいた過去の僕らが
毛布をかぶって部屋の隅っこに蹲る
部屋の真ん中に立ち竦んだ今の僕が
その肩を叩いて 向き合わせられたなら
今ここで見ている世界は別の綺麗だったの?
電車の窓から流れる景色を見送るようだ
川の畔に佇んで眺めた 水に抱かれる枝のようだ
ただ一歩から ただ一度の振り返りから
変えられることを知っていながら
「未知」の服を着た恐怖の前で
壊れた信号機の規則を守る
廃墟の遊園地で回り続ける観覧車
嫌な思い出だけをひらすら詰め込んで
遠目から輪郭だけを確認しているの
知って欲しいところだけを引っ張り出して
見せびらかしたら また押し込んだ
深夜の冷えた空気の中でチャイムが鳴り響いた
何事も無かったように無表情で君が立っていた
泣きそうになっている僕の頬に
君は凍るような手のひらを伸ばした
君が見せるその全てが君なのだと
いつも通りに渇いた抑揚で言いながら
その目だけは貫くほどに僕を見るから
いつまでも変わらずに僕を見るから
窓に反射した君の横顔が愛おしい
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