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酩酊
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作詞 歪み |
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「僕がいるから大丈夫だよ」と言って
心底安堵する人は何人いるんだろうと
夜半過ぎの肌寒い部屋の中で考えた
数少ない知り合いも
幼い頃からの友人も
親戚も 誰も彼も 浮かばなかった
踊れ 踊れ 狂うほど
往く年月に足場は狭まり
往く年月に視野は広がる
踏みつけるたび台座は悲鳴を上げる
寂れた心の嘆きにも聞こえた
ずっと一緒に居ようと言った
「永遠」を信じた彼女は言葉に酔っていた
アルコール度数は99.5%
無水エタノールに浸った言葉を舐める
その心地よさに慣れて
彼女はすぐにそれを求める
踊れ 踊れ 己を誰とも思えぬほど
廻り続けて幾星霜
足元の台座は穿たれ割れる
代わりはいくらでも生まれてくる
生きている限り 存在する限り
私はそれを愛とは呼ばない
朝明けの香りが鼻腔に流れ込む
目蓋を開いたその先は何だったろう
最後泣くのは幸か不幸か平等か
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