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日暮れて道遠し
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作詞 歪み |
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手持ち花火の袋を買った
中には噴出花火も入っていて
風に喧嘩を売られながら やっとこさ点けた棒の先から
目の眩むほどの光の俄雨を眺める
あっという間に暗闇に包まれた河川敷
手元の明かりだけが存在を証明した
ぱっと弾けて ふわりと消える
そんな人生の道すがらを
安価で手に入れた花火に見つけてしまって
噴出花火が消えるたびに
なぜだか妙に寂しくなった
ゴミだけが残る足元
買った時に貰った袋に押し込む
この亡骸たちは 生を謳歌したのだろうか
一瞬の輝きのために作られて
一瞬の過ちのせいで怪我をして
いつか存在を忘れられてしまうのか
そんな生き方をしたくはないと思っても
想像してしまったら 現実になり得るのだ
ぱっと弾けて ふわりと消えたい
安価の人生だって良かったんだ
ただ 笑っていたかった
泣き顔より笑顔を増やしたかった
嬉し泣きは笑顔も含むのかな
来年 同じ暑い日に
またひとりで来るのかどうか
自分と賭けをして そのうち忘れるんだ
日中の暑さにやられて くたびれた夜半過ぎ
外灯の少ない帰り道
網膜の端っこで 光の俄雨が残っている
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