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光環(こうかん)
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作詞 岸里 透 |
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六月の末日
思わぬ夕立を連れてきて
いつもより憂鬱
強めの雑音が耳を打つ
発熱と偏頭痛 ずっとひどく続く
隔絶された一室で佇んでいる
少しずつやつれては 感覚が鈍(にぶ)っていく
うつらうつら 映るは夢か現(うつつ)か
知らぬ間に床(とこ)に就(つ)き 静かに瞑(つぶ)っていく
徒然(つれづれ)なるまま また始まる夏
外出の口実
頬杖(ほおづえ) 突(つ)きながら考えて
鮨詰(すしづ)めの地下鉄
乗り継ぐ駅の到着を待つ
改札を抜けてすぐ 糸遊(いとゆう)が揺(ゆ)らつく
急顧(きゅうこ)するほど 脳裏に焼き付いている
経つ中で 街並みは融解(ゆうかい)が起こっていく
かつて見た芸術 『記憶の固執(こしつ)』か
聞きなしで 空蝉(うつせみ)は切なく綴(つづ)っていく
つくつくぼうしが奏でる旋律
手荷物に傘が無く ただ面食(めんく)らっていく
狐(きつね)の嫁入りにつままれてしまった
幾つもの粒たちが皮膚(ひふ)へと伝っていく
躓(つまず)くのも恐れず さ走(ばし)りつつ
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