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クラレッタのスカート
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作詞 サトウシノブ |
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クラレッタのスカート
いつからこうしているのだろう
ただ、ただ階段を降り続けている
周りは漆黒の闇で
僕が出来ることは
終わりが見えないこの一歩を
ひたすら進むだけだ
僕は考える
何がいけなかったのだろう
いつからこうしていたのだろう
見えないけれど確かにそこにあった
あの光を追い求め駆け上がっていた
はずじゃないか
まぁそんなことはどうでもいいか
広間に着いた
僕は見渡す。一つの異物がそこにあった。
僕は見上げる。その首を吊った死体を。
そんなものはどうでもいいや
僕の人生に関係なんてしないや
どこで誰が死んだって
僕にはなにもできないんだから
彼を救うことなんてできない
だって彼はもう死んでいるのだから
そして次の階段へ
いつからこうしていただろうか
持ち物なんて一つも持ってなくて
今まで生きていたはずなのにな
僕が残せたものなんて何もなくて
手に入れた何かもどこかに落としてきた
僕は思い出す
どこで間違えたのだろう
最初から間違えていたのだろう
掲げた理想も追い求めた夢も
いつのまにか見ないふりをしてしまった
今見える物しか見えないと決めつけて
まぁそんなことはどうでもいいか
階段を転げ落ちる
たどり着いた先は新しい部屋
痛みを抑え僕は踏み入れる
血を撒き散らし天を衝く
その鉈は真っ白な部屋を
鮮血に染めていた
彼は僕を見て助けを求める
足が痛いからほっとこう
違う誰かが助けるだろう
僕には関係ないや
知らないどこかで誰かが死んでる
僕はそんな事見向きもしないで
ただ目の前の階段を降りるだけ
そんな僕はすでに死んでるのだろう
新しい部屋にたどり着いた
そこには何もなかった 空白だけだ
僕は答えにたどり着く
ここは僕の部屋だ
部屋の片隅で体操座り
僕にはお似合いの格好だ
何もできないこの僕は
何もないこの部屋での最後の象徴だ
クラレッタのスカートは
きっと誰かが直してくれるだろう。
だから最後に愚かな僕を見て行ってくれよ
何も残せなかった者の末路を
いつからこうしているのだろう
ただ、ただ階段を降り続けている
たどり着いたその部屋で
座り込んだ彼を横目で見ながら
その先の階段へと僕は降りていく。
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