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フリース
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作詞 きち |
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ユニクロのフリース
冬と春の間に1290円でセール中
なんか寒いなあ..
そう思ったときにはこれを着ておけば
ほっと落ちつく
寒いという言葉すら忘れ
寒さという概念もなくなり
家の外に出ても中に入っても
何ひとつ変わらない
なんだか、心が凍えている
そんなときにもこれを着ておけば
とりあえずは大丈夫
心にお布団をかけるように
ほっと落ちつく
今日はコーディネートがうまくいった
そんな日も結局は
家の外に出ずに
このフリースを着ることで
コーディネートが完成することになる
まあいいか、と思いながら落ちつく
涙が出るとき
枕が濡れると冷たくて
ますます心が凍えるから
フリースをぎゅっとまるめて
そこに顔を押しこむ
濡れたって、ほっとあたたかい
柔らかい毛が自分の熱い息と涙を吸収して
顔をあたたかく包みこんでくれる
鼻水は吸収してくれなくて
でろんと伸びる
すきな人のことを考えるとき
代わりにふわふわのフリースを抱きしめる
力いっぱい抱きしめたくなるけど
そうされたら痛いはずだから
そのふわふわを優しく抱える
だんだんとあたたかくなって
このフリースを着ていると
熱がこもって頭が痛くなる
それでも
脱ぐとちょっと寒い
ちょっと寂しい
脱いで、
寒くなって、
また、着るとちょうどいい
1年前の冬に迎えた
1代目のブラウンの君は
だんだんと古くなった生地が
薄く柔らかくなって
表面のふわふわは、さばさばになって
今年迎えた
2代目のホワイトと
3代目のグレージュは
まだ、ふわふわの新品のまま
ベッドの足元にきれいに並べられている
さばさばの君が
一生手放せないような気がしてしまう
あまりに廃れて着られなくなったら
ブラウンの君をすごく気に入っている、
うちのブラウンのわんちゃんにあげちゃうね
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