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朝
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作詞 暇雪 |
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いつもと同じ通学路
今日の景色は少し違って見えた
赤く染まったこの道のせい?
それとも、横にいる君のせい?
いつもは近く感じる学校までの距離も、
なんだか今日は違うみたい
君の息づかい、踏み出す足音、
カバンのキーホルダーが当たる音も騒がしい
昨晩布団で考えた、話題もいつしか上の空
素っ気ない返事ばかりで、
足元を過ぎていく赤い葉っぱを眺めることしかできなくて、
拳を握りしめて湿った手を、
寒くもないのに懐にしまう
横目で見えた君の顔は、
まるで、朝陽が照らした紅葉のよう
校舎が見えてくると、突然足が重くなる
校門でクラスメイトを見つけると、
君は突然、走り出す
放課後、いつもの場所で
その言葉が耳元で通り過ぎるのを感じながら、
袖口から触れた指先がいつもより温かかった
思わず笑みがこぼれだす
紅い落ち葉を手に取って、
僕も一緒に走り出す
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