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『Orthodox２』
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| 作詞 Like VA2 |
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彼女は首を吊っていた。そして、彼女の魂は床にぺしゃりと座っていた。
見た目は宙に浮く彼女の遺体と見分けがつかない。傍から見るとドッペルゲンガーのようだが、俺はもう慣れていて、別段驚きもしなかった。
「おい、お前」
大体の死者は声をかければ急にオドオドしだす。が、彼女のように自ら命を絶った人間は、そんな反応を見せない。そんな前例の通りに、彼女はただ、座っていた。俺に眼を合わせずに。大体そんなもんだ。
「行くぞ。お前を送るのが俺の仕事なんだ。分かってる。何か悲しいことがあったんだろう？人生を自ら終わらしてしまうほどの何か大きな出来事があったんだろ？聴かせてみろよ。」
この文面だけ見ると、心優しくて不器用そうな男だと思われるだろうが、これは、≪死者の了承を得ると死に場所から引きはがす事が出来る≫というルールがあるためだ。地縛霊などは、そんな了承を得ていない魂たちが住み着いているだけなのだ。
「ありがとうございます。聴いてくださるんですか？」
意外と愛想よく笑った。その笑顔はこっちが下手にでれば言うこと聞くのかとフツフツと湧き上がる感情を抑え込んだ。ただ、長くなりそうだな。とも思った。
「私には、大きな出来事なんてないんです。ただただ、普通に生きてたんです。」
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