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『Orthodox』
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作詞 Like VA2 |
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俺の名はハーミット。意味は知らん。性か名かもわからない。
はっきり言うが、俺は人間でない。悪魔でも天使でもない。まあ、元人間だったから、幽霊というのが一番妥当なのだろうか。
だが、
俺の仕事は極めて死神に近い。
ある場所へ死者を連れて行くのだ。
音も立てず、サンタクロースのように見えるおじいさんがもう手の届く距離まで歩いてきていた。気が付かなかった。
「ア、アムネジア様!」
「やあ 世捨て人。頼みごとがある」
「あの、何度も聞いておりますが世捨て人とはどのような意味なのでしょう?」
「ん?そのままだよ」
「…」
この方はスカベンジャー・アムネジア様。
残虐な一面もある一方、忘れっぽい面もある、何とも不思議なお方だ。
「それで、頼みごととは一体…」
「あ、そうじゃそうじゃ。クロスという一人厄介な少女がおるからの。」
「厄介、とは?」
「会ってみれば解るわ。」
「は、はぁ」
アムネジア様は、現れたときと同じく、音も立てずにその場から去って行った。
ソイツ―――クロスという少女は想像以上に厄介な相手だった。
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