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僕の世界 小さな君の世界
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作詞 iris |
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君の小さな膝の大きな傷はどうしてできてしまったの
迫る焔から泣き叫んで逃げて転んでしまったの
それよりももっとずっと大きくて深い傷は
僕には見えないところに刻まれているんだね
『愛していたものに捧げるのは、絶対の忠誠と血』
母も父も何もかもが死滅してしまった
廃墟と化した昔の面影もない街に涙が落ちる
走り疲れた足もただの棒になってしまって
閃光に垣間見るあなたの笑顔を忘れない
突然の暴風雨は倒れた少女の身体をぱたぱた湿らせて
亡骸よりも冷たく悴む指先は宛ても知らず彷徨った
待っておいていかないで
遠く遠くに笑顔の二人がいるのに もうこんなに近くに ああ
『少女の心を病ませるものは、絶対の安心と絶望』
温かさなど知らずに生まれてきた僕に
冷たく濡れた少女が縋り付いている
「待っておいていかないで」
虚ろの君が見ているのは 僕か空かそれともだあれ?
旅人の少年が廃墟で見つけたのは生きる屍のような少女
浮かぶのは同情の念か哀れの思いか 差し伸べた掌を掴んで
君の小さな身体の大きな傷はどうしてできてしまったの
迫る焔から泣き叫んで逃げて転んでしまったの
それよりももっとずっと大きくて深い傷は
僕には見えないところに刻まれているんだね
抱きしめた痩せた身体はぎゅっとするだけで壊れてしまいそうで
泣くことも笑うこともない少女はただ少年の身体に縋り付く
待っておいていかないで
ここにいる私はもう この世界にいるべきじゃないのに
『蝕まれるのは、少年の心と少女の心臓で、死ぬ為に生まれた世界は、』
いつか滅びるものと共に嘆こう
いつか笑おうと共に誓おう
終わり逝く世界の果てで ただ燃え尽きた涙を流して
いつか、この世界を侵す全てを終わらせよう
待っておいていかないで
待って、おいていかないで おかあさん
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