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指
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作詞 と或る |
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撃たれた小鳥の羽根すら 重すぎて背負えずここにいる
ふるえた指輪を撫でながら 凍えた暦が燃えている
絹のずれた音の鳴るほうへ
幼いこの腕を伸ばしても
思い立って
その手を連れてゆける勇気が
この手にあったなら
明くる日、瞳を穿つほどの光が
窓から射し込むから
ひび割れた空に月の海 凪ぐ宵に詠む人もなく
舞い落ちる花瓶の花びら 受け止めてくれる皿もなく
六弦を爪弾くせつなに
夢に沈む君が綻んだ
思い立って
その手を連れてゆける勇気が
この手にあったなら
明くる日、瞳を穿つほどの光が
窓から射し込むから
あなた以外、なにもいらないと
透き通る声に
応えられたなら
思い断って
君から離れられる勇気が
今ここにあったなら
こんなに胸を占めるほどの
かなしさから解き放たれるのに
時が経って
一から始めたなら
流した涙がかわいたら
ツツジが萌える季節の中
いつでも君と笑えるのかな
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