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世界が燃えた日
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作詞 あかさてな |
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太陽神ヘーリオスと海の老人オーケアノスの娘クリュメネーとの間に生まれた少年パエトーンは
毎日エパポスと其の仲間達から馬鹿にされていた
屈辱感に耐えかねたパエトーンはある日
母クリュメネーに尋ねた
僕の父さんは本当に太陽神ヘーリオスなの、と
するとクリュメネーは逡巡した挙げ句こう答えた
遥か東の果てに在る神殿まで行きなさい
其処に貴方のお父様、太陽神ヘーリオスがいらっしゃいます、と
こうしてパエトーンは父為る太陽神の神殿を目指して旅に出た
幾つかの月日が流れ、漸くヘーリオスの神殿まで辿り着いたパエトーンは
父為る太陽神に対面するとこう言った
父為る太陽神ヘーリオスよ、貴方が父である証として願いを一つ叶えて下さい、と
ヘーリオスはパエトーンの此の言葉に必ず約束しよう、と応えてしまった
そこでパエトーンはあろうことか黄金色に輝く太陽の馬車を駆りたいと言い出した
パエトーンの願いに躊躇したもののヘーリオスは此れを聞き届けた
そして太陽の馬車にパエトーンを乗せ幾つかの忠告を与えた
こうしてパエトーンは太陽の馬車に乗り黄道を走り出した
然し何時もと馭者が違う事に気付いた馬達は
パエトーンの命令を無視して勝手気儘に走り出してしまった
其の為燃え盛る太陽の馬車は黄道を逸れて
天空を迷走し大地を焼き海を干上がらせた
此の事態に驚いた大神ゼウスは太陽の馬車目掛けて雷を放った
太陽の馬車から墜ちたパエトーンは焔に包まれエーリダノス河へと沈んだ
ヘーリオスの娘達でパエトーンの姉妹に当たるヘーリアデスは悲嘆のあまり樹木と成り
母クリュメネーも悲嘆に暮れて其の樹木を掻きむしったところ
其の樹液は琥珀に成ったと言う
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