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太陽と西風と少年
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作詞 あかさてな |
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今は昔、ギリシャのとある森にて
ヒュアキントスと言う美少年が居た
太陽の馬車を駆っていた太陽神アポローンは
ヒュアキントスの存在に気付くや否や
其の美しさに心を奪われ
早速地上に降り立つと
美少年の許へと参り
自らの素性を明かし
ヒュアキントスを恋人とし
其の日以来二人して
円盤投げに興じては
仲睦まじく日々を過ごした
然し此の様子を快く思わね者が居た
其の者の名は西風の神ゼピュロス
ゼピュロスもまたヒュアキントスに惚れて居た者で在った
嫉妬に身を焦がしたゼピュロスは
アポローンの投げた円盤を其の息吹きで吹き飛ばし
在ろう事かヒュアキントスの額に命中させて仕舞った
額に致命傷を負った美少年は其の場に倒れ伏した
アポローンが慌てて駆け寄るも
哀れなるかな、ヒュアキントスの体は冷たく為って仕舞って居た
アポローンは神々の飲み物ネクタルを
命果てた美少年に降り注ぎ、さめざめと泣き崩れ
此の様な事態を引き起こしたゼピュロスもまた
ヒュアキントスの死に大いに心を痛め
居たたまれずに其の場より飛び去った
ヒュアキントスの骸はネクタルの力により
花へと其の姿を変えた
其の花こそが我々が今日(こんにち)ヒヤシンスと読んでいる花で在る
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