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ジェラルドとユーフェミア
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作詞 あかさてな |
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住宅街の入り組んだ路地
其の中の一本の小路を進んで行くと
小さなアンティークショップに行き当たる
其の店の名は幻想堂
扱っている品々は何れも
店の名に恥じぬ幻想的な物ばかり
其の中でも一際目に付くのは
ガラスケースに飾られた1対の人形
夜会服(ソワレ)に身を包んだ兎の紳士淑女
其の瞳には本物のルビーが嵌められてあり
まるで今にも動き出しそうな程
生き生きと造られている
店の主人に依ると紳士の名前はジェラルド
淑女の名前はユーフェミアと言う
18世紀末期のイギリスの工房で
名の有る職人の手に由って造られたと言う
私は一目で気に入って居たので
主人の言い値で即買いして仕舞った
こうして我が家のリビングの出窓には
ジェラルドとユーフェミア
一対の兎の紳士淑女の人形が飾られる様に為った
私のコレクションの中でも一番のお気に入りで在る
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