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水たまり
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作詞 車崎計史 |
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今日は朝から雨模様
憂鬱な気分をしょいながら深いため息をついた
人と車が行き交うスクランブル
赤と青が切り替わるシグナル
フロントガラスを伝う雫が心にしみる
心の底に佇むほのかな光が、今か今かとチャンスを伺っている
水たまりに映る顔が不気味に笑った
肩をぶつけそうになって
転びそうになって
濡れた地面に手をついた
手のひらに砂の粒がキラリと光る
水たまりに映る顔は不敵に笑った
今日もまた雨が降った
それでも心は晴れ模様
「鏡に映る君の顔は素敵だね」
なんて口ずさむのは気恥ずかしいだけ
ボサボサの髪を整えてる時だけ真面目な表情になる
くたびれたパジャマを脱ぎ捨て
溜め込んだ食器がシンクを濁らせ
寝起きの仮面を外して駆け出した
すれ違いざまに吹き抜ける風
幾度となくぶつかりあう『今』
この一瞬に輝きを求めるんだ
弾ける水しぶきがスーツの色を変え
町中に轟く革靴の音が胸を昂らせる
肩をぶつけそうになっても
間隙を縫うように避けていけ
よろける体は重力に従う
君の視線は重力に抗う
乾いた地面に手をついた
手のひらに砂の粒がキラリと光る
水たまりに映る顔はニヤリと笑った
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