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さよならデパート
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作詞 笹原 真佐喜 |
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左の人差し指と、右の薬指。
そこだけ違う色のマニキュア。
どんな意味を隠しているのか。
調べようとして、手を止めた。
貴女に気付かれそうだったから。
コールドじゃなくてホット。
でもビターだった。
蓋を付けて飲んでいた、
その指先には女らしさが。
そっと揺らめくまなざし。
戸惑って目をそらした、
その一瞬に微笑む貴女。
いつからこうなったのか。
いつかの貴女は、
昨日の処女(おとめ)。
いつもの貴女は、
明日の淑女(おんな)。
欲しいとねだった生チョコセット。
貝殻のかたちの一粒。
あの日の浜辺で一緒に拾った、
巻き貝に似ている。
なんていうのはただの空想。
「コンタクトが外れそうだから。」
それは、まばたきのせい?
それとも、
彼奴(あのひと)のせい?
一口飲ませたキャラメルフロート。
蓋に残ったグロスの色は、
初めて出会った桜色。
2Fで見つけたマニキュアにのせて、
新しく重ね塗りしていく、
思い出は何の色をしている?
それは貴女しか知らない。
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