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君は僕
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作詞 ラカ |
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冷たいと感じる。
見失ってしまった。
薄い蒼が照らす寂しい地下室は
ひたすらに吐息を響かせる。
刃からグズって零れる。
地面に暗く華を咲かせ続ける。
僕は心を無くしてしまった。
鼻の奥がツンとするような。
新聞紙が握りつぶされるような。
地面に広がる模様が彼岸花畑みたいだ。
「今日はどこに行くの?」
落ち着き払った君の声が聞こえる
「どこへも行かないさ」
「どこへも」
2人はいつも一緒だった
どちらが先に靴下を履けるかなんてもう広い空に光る星の数より競ったし
どちらが上手くウィンクをできるかとか、降り注ぐ雨の数よりした。
「ねぇ、死んじゃった世界には天使っていると思う?」
「きっと優しい天使がいるに違いないさ」
「迎えに来てくれるのは天使かな?」
「どうだろう、悪魔かもしれないね」
君は真っ直ぐに瞳を見つめてニヤリと少し笑っていた。
「来てくれたのは君だったんだね」
穏やかな気分だ。
君に僕は傷つけられたのに。
心を失っても僕は僕だった。
真っ直ぐに見つめれば君がいる。
今日は穏やかな目をしている。
「なんだか、君に会えるのが最後になるような気がするよ」
「そんなことないよ、どこへも行かないさ」
君の穏やかな声は地下室に響かなかった。
でも、頭の中でそう言ったんだ。
僕は自分の顔を知らない。
君の顔しか知らない。
「いつだって僕らは一緒じゃないか」
「また、会う日を楽しみにしよう」
反転の世界に住む僕も
僕の血の彼岸花に囲まれていく。
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