|
|
|
思い込み
|
作詞 に |
|
お昼のニュースのインタビューで
腰の曲がった老人が言ってた
「歳を取りたくないもんだ」
その言葉に得心がいったのは
白髪頭を抱えたあの日のこと
多勢に無勢とはまさにあのこと
後ろ楯もないので一人になった
「独りは寂しい」
そんな簡単なことに全てを蝕まれたんだ
屋上に立つ人間を仰ぎ見る
あのときの光景が顧みる
今になって思い出したのは
忘れていたかった言葉だった
あのときどうして苦り切れなかった?
あのときどうして言い渋ったんだ?
大きくなったら無条件に
自由というハッピーセットが
誰かのスマイルとともに
「おめでとう よく頑張ったね」
渡されると信じていたあの日の僕
屋上に立つ人間を仰ぎ見る
あのときの光景ともおさらばだね
後になって思い出さぬよう
どうか幸せな記憶で終われますように
一人になったら何もできなくて
孤独の恐ろしさと出会ったんだ
「逃げたいよ」
心までもが警鐘を鳴らすもんだから
「助けてよ」
僕だけが僕をじっと見つめててさ
だから大人になったら
その願いを叶えてやりたくってさ
自分に嘘をつき続けるのが
辛くなっただけ
それだけで
あのときの寂しさが
泣きながら僕の背中を押すんだ
安心してね
今日こそは君の願い叶えるからね
あっちで落ち合おうよ
お昼のニュースのインタビューで
スカートの短い女子高生が言ってたらしい
「置いてかないで」
|
|
|