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少女伝説
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作詞 明煌羅 |
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名も無い 小さな 王国の
名も無い 幼い 少女の
世にも 不思議な お話
生まれついた 時から
少女は 忌みの子として
その身に あまる 罰を受けた
産みの親さえ 彼女を見捨て
「気味が悪い」と
罵り 蔑む
いらない いらないと 言われ続け
心身共に 傷ついた 少女
それでも 決して 涙は見せず
紅い瞳で 民衆を 睨んでた
止まない 止まない 民衆の怒り
少女の身に 血が 滲んでも
「生まれてきた」それだけなのに
理不尽な 思いが 彼女を 追い詰める
忌み嫌われた 少女は
生け贄として
山の 奥に 閉じ込められた
扉には 頑丈な
鎖と 鍵が つけられ
外にも 出られない 日が続いた
「別にいいや」と 彼女は呟く
紅い瞳は 静かに揺れた
冷たく 寒い 石の牢の中で
力尽きようとした 少女
目を 閉じそうになった 次の瞬間
扉の 鍵も鎖も 壊れ 弾け飛んだ
驚き 見開いた 彼女の瞳に
一人の 少年が 映る
「一緒に行こう」と 少女の手を引いて
少年は 夕焼けの中に 走り出す
今日が過ぎ 明日が来て
走り疲れて 捕まった時
少女は呟く
「こんな世界
みんな消えちゃえば いいのにな・・・」
「みんな 消せるなら いいのにな・・・」
それが 本音かと 尋ねる少年に
少女は 深く 頷いた
次の瞬間 少年少女 二人以外
全人類 跡形もなく 消え去った
紅い瞳 細める少女
少年と 二人 夕焼けの中に
走り去る
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