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青い人生
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作詞 細胞*分裂 |
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青をただ塗りたくったような絵を
毎日毎日書いていた男がいた
男はその絵を海と空だと言い張った
あたしは彼を嘲笑った
ただ真っ青なだけの彼の絵をあたしは笑った
それでも彼は書き続けた
青でいっぱいのスケッチブックが
どんどんホコリまみれになっていくことだけが
時間が経っていることを教えてくれた
ある日彼の鼓動が止まった
息をすることを止めてしまった
それは自分の意思で止めたのか否か
そんなことはあたしには判らなかった
青を創りだした彼を想う
これは海と空なのだと彼は云っていた
あたしにはそれが判らなかった
雲ひとつ 浮かんでいない
鳥いちわ 飛んでいない
誰ひとり その青を侵すものはなかった。
今にして想う
ようやく気付く
彼はいつだって還りたかったんだ
ただ青いだけの場所に
自分が生まれる前のもっと遥か遠くの
彼が元に戻れる場所に
いつだって還りたかったんだ
今ひとりでその絵の青を想い
その青を創りだした彼を想う
彼の人生を考え 彼はこれで満足だったのかと
それでもあたしは彼に出会えた自分の人生に満足しています
あたしは青でいっぱいのスケッチブックを
シワシワになった手で抱きしめ
重いまぶたを閉じて次の世も またその次の世も 何度でも出会えるように
あなたの夢をみます
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