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生け贄
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作詞 氷翠 |
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井戸は枯れ果てて 幾日が経つでしょう
大地はひび割れ 砂塵だけが踊る
憎らしいほどに この青空はキレイ
彼女は歌う 美しい音色で
『神よ…貴方の涙で潤しておくれ
私の涙が枯れはてる前に』
太陽の恩恵は大地を焼きすぎて
私が育てた椰子の木もしおれた
雨の神よこの乾きを潤し
地を水で満たしておくれ
ある日村の長は 我々にこういった
空の神々へ生け贄をあたえよ
さすればこの地に 雨が降るだろう
彼女は歌う 儚い歌声
『もしも…私が女神になれたならば
私の涙が降りそそぐでしょう』
太陽よ神々よ 娘を捧げます
貴方の彼の園へと連れていけ
雨の神よ我らは限界です
地へ雲を運んでおくれ
やがて陰りだす空を人は仰いだ
今この地に降り潤す
この雨は誰の流した涙か…
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