|
|
|
『匣』
|
作詞 アヲイ |
|
ゾロリ 這う
艶かしい何かの
正体は解ってる?
此の世に二つとて無い
忘れ難い日になるよ
四方八方 景色は同じ
此から染めてイケば良い
影から刺して嘲る僕と
白磁の肌へ押込む様な
口吸いで始めよう―――。
上品な喰い方など解らない
息遣いで察したのでしょう?
此処だけが ワタシノセカイだから
蛇に睨まれた兎の様な
木苺色の目濡らし喘ぐ
食べた後には仕舞っておかなきゃ
ゾロリ 這う
賎しい舌絡めて
鼈甲は溶け始めた
私はどうやらダメらしい
餌を待つだけの存在
四方八方 新しい疵は
七番目のあの子の爪痕
詞にならない傷みに狂い
他人のせいにしてしまえば
楽な事、知ってる―――。
掛け違えた釦みたいに
ズレたワタシを赦せない
でも此処は ワタシノセカイだから
匣の中で一人嗤ってる
匣だから良く響き渡る
僕に言い聞かせている様に
猛毒は、降り続く。
触れれば刺さる棘塗れの
僕をワタシは許してくれて
そうだから ワタシノセカイだった
差し出された肉を喰らって
塵紙に嘔吐く無意味な種
汚い「二人」を許して
知らない知らない匣の中へ
要らない要らない匣の中へ
|
|
|