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夏色の手紙
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作詞 淋時雨 怜音 |
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流れ着いた瓶を拾い上げた僕は
波の音に混ざった声を聴いた
ガラスに溶け出した深く澄んだ青と
潮の香りを秘めた滲んだ文字
水面に波紋が広がるように
切なさが淡く胸をつかんだ
照りつける日差しが街を包んで
海風が手紙を空高く舞あげていく
夏空に映し出された影法師
吹き付ける風を抱きしめ
夏色の遥か遠い海の向こうへ
受け取ったよと叫んだ
街を歩く人の中で歌う私は
騒音に混ざった声を聞いた
夕焼け色の空影絵みたいな遊具
土の香りを秘めた花々たち
錆び付いた公園のベンチに座って
サイダーを飲み干し喉を潤す
閉じ込めた思いを海に流して
思いはせた目線は雲をこえ遠く伸びる
夏の夢描いた未来予想図へ
ひたすらに走った毎日
流れ星指先でなぞった過去は
もう戻らないから
確かなことなんて一つもわからなくて
だからこそ希望を捨てきれないんだ
旅立った夏の色褪せぬ記憶と
叶わない夢の切れ端
形を変え巡り巡って背中を押してくれる
夏空に不意に聞こえた歌声と
街中で香る潮風が
夏の夢奇跡を新たに描き
君と繋がっていくんだ
書き上げた手紙を瓶に詰めた僕は
波のざわめきの中へそっと放った
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