|
|
|
幻橙詩
|
作詞 nino |
|
真っ白な四角の箱の中 鼓動が鼕鼕と響く
真っ黒い傘の群れが 行くのは出口ではない
1人助けを請う少女 それすら横目に睨んでは
秒針がひとつずれる度 瞼に浮かんだ幻橙
振り向いたあなたの心は 泣いていたように見えた
涙は見えないのに 泣いていたように見えた
それが私のせいなんて 気がつく日は来ないんだろうな
刹那にずれる秒針は それを教えてくれた
見えないものを数えたら 瞳を過るのは誰か
優しい幻橙の跡 斜陽に呑まれた悲しみ
アスファルトに溶けて消えた 宛先知らずの涙
眩しい幻橙の後 燦燦と光は差すけど
心臓が刻んだのは 昨日と変わらぬリズムだった
真っ白な四角の箱開く 閉じた目を隠した右手
真っ黒い傘の群れに 紛れた私の影
淡い期待は揺蕩って 羨望にさえ溺れてく
それを痛みと読み替えれば 口実は揺らいだまま
見えないものが増える度 瞳を逸らすのは誰か
言葉にすれば壊れそうで 気づけば重ねた悲しみ
コンクリートに囲まれた 街灯が泣いていた
とっさに吐いた常套句 一瞬の光になったなら
心臓は刻んでゆく 明日も変わらぬリズムのまま
見えないものに遮られ 瞳に映り込む空虚
優しい幻橙の跡 斜陽に呑まれた悲しみ
アスファルトに溶けて消えた 宛先知らずの涙
眩しい幻橙の後 燦燦と光は差すけど
降り続く雨のよう ただ立ち竦んで
記憶は幻橙のよう ゆらゆら舞って落ちてく
コンクリートに囲まれて 私も泣いていた
あなたも幻橙のよう ゆらゆら舞って消えてく
見えないものが増えて 瞳に映るのは私
|
|
|