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悲しいだけの夜
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作詞 新田拙 |
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記憶に残るはずもない
ただ悲しいだけの夜
雨の降らない空に歌えば
返ってくる声もない
何もない空は空っぽの
ぼくの頭とおんなじで
お月さまは瞳になって
ぼくの好きなまあるい目で
ぼくを高くから見下ろしていて
もう一度、もう一度って
くり返すのをくり返して
違うんだ、違うんだって
届かない声を届けようとして
枕の綿に消えていく
涙の波と凍えた声は
悲しいだけの夜をつくる
記憶に残るはずもない
ただ悲しいだけの夜
雲の落ちない空に歌えば
声は月まで届くはず
星も見えない空っぽの
箱の中身は冷たくて
短いローソクと綺麗な石ころで
飾ってしまいたい
軽い足で空を舞う夢をみた
手にはランプを腕にリングを
ぼくは誰にも見えやしない
見えないけれど星になった
夢を夢だと気づかないのは
きみだって同じでしょう
もう一度、もう一度って
くり返すのをくり返して
違うんだ、違うんだって
届かない声を届けようとして
悲しいよ、悲しいよって
くり返すのをくり返して
助けてよ、助けてよって
届かない声を届けようとして
夢の間に消えていく
過去の自分と震える声は
悲しいだけの夜をつくる
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