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【虹の雫】
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作詞 GABA |
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白髪のあんまが
籠を担ぎ
息子が死んでいったよと
魚を見せた
生き返ったらいいのに
塩水で息子の裸体が
約束した女もいるのに
ふざけた名瀬の港に
怒る女の絶叫が
響く
明日も見えない
手を振って
一人で船を動かし
舵に任せて
海鳥が優しき声で
朝昼晩船を出す
おかえりとあんまと私が
後悔の名瀬の港に
立ち尽くすあんまと私
泣き崩れ
空に飛んでいった
あなたを見ると
私の髪の毛一本
風に任せて
あなたの後ろ姿が
三味線の調べと一緒に
涙と雨に混ざって
しらけた名瀬の港に
あくびをしたエラブチが(魚の名前)
踊る
返して返して
あんまと私の
命綱
戻って戻って
港じゃなく
家に
あんまの涙の雫と
私の涙の雫と
港に打ち寄せる波しぶきが
虹に消えて
あなたの真っ青な裸体に
落ちる
わたしたちの漁船が
海に沈んでゆく
磯の香りに
誘われて
あなたの遺骨を海に
新しい日々へ
希望のロープを港に
盲目な海を卒業して
あんまと海岸線を
無情の名瀬の港に
生きる貪欲さに
振り向く
作成 令和3年8月13日
作詞 GABA
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