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薄花の眠り姫
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作詞 Rr. |
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あと何千年後
水に沈んだバス停で
語り合う花びらも
夜はただ散らしていく
あと何千年後
君は眼を覚ますだろうか
染まっていく薄花の街で
今、朝顔が咲く
あと何光年先
君に僕が見えるだろうか
ずっと笑い合っても
ただ歩幅を合わせてみても
あと何千年後
まだ眠る君の顔を見て
僕は思うだろう
「このまま側に居られたら」なんて
この口を針で縫ってしまえば
優しさなんて、ほら知らないままだ
どんな言の枝葉も 君を縢げて止まないよ
その瞼みたいに僕も生きれたらな
きっともう、さよならだ
今、響き出しそうな夏の雫が
君の眠る顔に涙咲かす
それを掬って、飲み干して仕舞えたならば
もうきっと僕は要らないよな
今、消えそうなほど淡い呼吸を
纏う君は今日も眠り姫
僕が押し付ける、花の名前も
本当はずっとずっと臆病な僕の話
君をずっと起こせないまま
あと何千年後
凍った夏の寝室で
思い出せない顔も
いつかは塗り潰してしまうよ
仕草も片付けも
だんだん雑になっていって
臆病だけが
夏に残ってしまうのかな
君の事を
傷付けてしまうのかな
淑やかな森の中で眠る
君にその呪いをかけたのは
嫋やかに俯く君の
その薄花のような優しさで
幼い春みたいな悪夢に
蝕まれては、花時雨
それを掻き分けて見失った先に
微笑む君が映ったんだ
だからもう 眼を覚ましてよ、シスター
僕の眼に映る君を見て欲しいんだ
その嘘つきも、意地張りも、卑怯も、全部
全部、僕の中で眠るから
薄花の空を切り裂くように
朝焼けが街を染め上げていく
何故だろうな、涙が溢れて止まないよ
どうしようもない、こんな僕の唄だ
もうきっと、何も言えないな
あと何千年後
水に沈んだバス停で
語り合う花びらも
夜はただ散らしていく
あと何千年後
君は眼を覚ますだろうか
ポケットにはさよならの言葉だけ
もうすぐ、夜が明ける
今、響き出しそうな夏の雫が
君の眠る顔に涙咲かす
それを掬って、飲み干して仕舞えたならば
もうきっと僕は要らないよな
今、消えそうなほど淡い呼吸を
纏う君は今日も眠り姫
泣きそうになる、花の名前も
一人を知って ただ舞い散っていくよ
街はまだ、まだ眠ったままで
今、君に会いに行くよ
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