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黄昏
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作詞 こんや みちお |
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資料館の展示物前には
修学旅行の学生達が
並べた胸の名札
見るつもりはないけれど
次は何処へ行く予定か
引率の先生の声に暫し
傾けた耳に残った
松原国定公園
日も浅いこの土地
僕には分からないや
出口は学生と反対に
ある駐車場には
スピードもそんなに出ない
オンボロなジープが
料金所に頭を向けて
泥だらけのボディに手を
時代の流れは緩やか
音楽は心癒して
くれるけれども
何処か好きになれない
アンティークな茶店の椅子は
軋むカップの話
ひとつも聞いちゃいない
君は哀しくはないのかい
松原国定公園
ナビで調べたら
そんなに遠くない
寄り道も悪かない
学生達のバスが
連なり十字路曲がって
付いていくのは忍びない
ハンドル切って風の音を聴く
ペットボトル温くなっている
構わずエアコンをつけて
少しだけ窓は開けたまま
煙草探して諦めようとする
ギアを変えて落とす速度
渋滞は下り車線の
ブレーキランプが
宙(そら)へと続いて見せた
音楽を止めて静かに
なったエンジン吹かして
キーを回してサイドに
手を掛けて目を瞑った
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