|
|
|
失くした風
|
作詞 こんや みちお |
|
通りゃんせ通りゃんせ
此処は何処の細道じゃ
天神様の細道じゃ
幼い影がふたつ並んで
紅く見上げる鳥居をくぐり
狐の誘うままにふたりは
つないだ手に汗を握りしめた
鳴き声ひとつ空を裂いて
思わず口に当ててしまった
外した手はもう戻らない
夕暮れの空走り出したら
烏が帰る山の端に
鱗棚引き残されてる
飛行機雲を追い掛けて
行きはよいよい帰りは怖い
踵返すなら通りゃんせ
僕の住む街巨大煙突
排水溝の黒に映る
見えない糸に操られて
引っ越しして3年が過ぎる
振り返って見ると
夏の終わりを告げる
気の早い赤蜻蛉
軽い眩暈を誘う
ふてくされた顔する
君の街まで行こうかな?
何処かで聞こえて来るのは
あの鈴の音間違いない
フェリーに乗って桟橋から
登る城址忘れかけてた
昨日を痛みを忘れられない
ポケットから取り出した
缶コーヒー片手で持ち
秋風と海鴎
出しっ放しの漱石
|
|
|