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光景
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作詞 こんや みちお |
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転校した町の外れは
国道に橋が架かって
せせらぎ公園
昔を偲ぶ
畦道を歩いてるあの娘が
チラリと眼を合わせないようにと
胸がチクリと
傷んだよあの頃
ラブレター靴箱
帰って来ないままの返事
苗代が湛えた
緑の新芽が萌えている
振り帰らずに
歩いて行く路は
交差点点滅信号
子供達の糸電話
悪戯に過ぎ去ることさえ
忘れてしまった案山子は
あの日の陽射しと
風を忘れじや
いつかと同じ両足で
歩いて来たこの路さえ
きつく感じる
登り坂道に伸びた
影法師は遷ろう
誰かを探したまま
野辺送りの調べ
青い穂が揺れている
何処かで見た路の先にある
郵便局の斜め
前にある駄菓子屋
見つけて日は短くなる
実りの秋待てない
烏の帰る山
赤く焼け陥ちた花火
鈴の音響くバイパスの夕べ
蚊取線香
スイカの甘さは
今も変わらないよ
テレビの告げる時報
天気予報を観て
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