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木こり
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作詞 望月としあき |
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ある木こりの物語
斧を一生懸命 研いでいた ずっと ずっと 研いでいた
雨の日も 風の日も 周りが楽しそうにしている日も
寝込んでいた日ですら
それを見た周りの人たちは 笑って通り過ぎていった
ハヤク キレバ イイノニ
ベツノ ドウグヲ ツカエバ イイノニ
電車の優先座席 引きずった足の若者
授業中の居眠り 救うための徹夜
寒い日の半そで 走った後の人 風呂上りの人
木の切り始め 待っていた
まだダメだ もっと鋭く どうしても切るんだ
最初に立てた 志なんだ あの人の為なんだ これ以外にないんだ
年月を忘れるほど 研いでいた
その木を切るために 研いでいた
逃げ出したくなった 諦めたくなった
人の言葉 心の安定 嫉妬 羨望
虚無感 罪悪感 閉ざした心
見えない明るい希望 想像 今と未来
「よし切り始めよう」 木こりは なぜか戸惑った
研ぐことは目的ではなかった だけど なぜか戸惑った
追い続けられる情熱 達成しようとする不安
達成したあとの喜び
木を切った 今まで耐えたことが
帳消しになった 涙が出た
辛いことを思い出したのか
喜びの涙か ただ溜まっていただけか
出会った人の顔が 頭に浮かんだ
その中には 笑って通り過ぎた人たちも
「あの人に報告だ」 喜んだ 喜び合った 恩返しをした
ずっと信じてくれた人 ときには無理だって思っただろう
でも 諦めなかった それを支えたもの
「好き」だけでは弱い 自分のためを超える
誰かのためというものが 支えてくれた
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