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作詞 となみよくと
独りぼっちの夜道

街明かりに群がる蛾を見ていた
そんなもんのために
佇む余裕はないくせに

ずらかった日常
頭を下げにいくだけの簡単なお仕事
酩酊、出禁になった居酒屋

あの娘と別れた先々週の金曜
特になんともねえけど
これから家賃は誰が払うのか

好きな俳優のドラマの最終回
主人公と病気の妹
神様に祈ったのでハッピーエンド

お前んとこの神様、便利だな
なんて呟いてテレビを消した

俺自身の幸せを探すより
誰かの不幸を願ってる

そんな自分に飽きてきたんだ

浦島太郎の話
竜宮城でのどんちゃん騒ぎは
亀を苛めた子供たちのおかげ

誰かの悪事、図らずも甘い密
幸せの背景には悪意があるのかも
悪意に生かされた幸せが息づく

そう思うと素直に笑えねえ
けど、しがみつけるもんを
見逃せるほどゆとりねえ

暗い道半ば、差し込んだ人工光
それに群がる蛾を見ていた

こいつら俺みたいだな

頬を伝うなにかを感じた
止めど流るるそいつは汗か涙か
膝を抱え込んで項垂れた

こんなはずじゃ、って言葉の響き
空しくなるから口を閉じた

白日の温もりに
弾き出された蛾を見ていた

人の神経に障る害虫を見ていた

光の中で生きたいと思った

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歌詞タイトル
公開日 2016/07/15
ジャンル 詩(ポエム)
カテゴリ その他
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