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原形
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作詞 りょん |
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街並み和らぐ 風の中
僕らいつものベンチの上
蒸し暑い日差し指す
形留(とど)めない温度
生きた心地無い日々が続き
自分すら見えなくなるの
あの日見えた光さえも
形の無い僕は視る気力もない
「どうしたの」って
声が聞こえて
心の中揺らいだ
風さえも傷に染みる
「僕の形返してよ」
形が崩れ 声も出せず
聞こえない叫びを伝えようとして
心を無くし 扉を閉ざし
傷付くのを恐れた
耳に触れる優しい風も
針の様に感じた
街並みに消えた 君の声
僕ら同じ星空の下
冷える世界 月輝く
絶える事の無い悲鳴
「哀れだね」って
人に煽られ
何も信じなくなった
治らない傷が痛む
「目の前から消えてよ」
身体が震え 声が消ゆく
聞こえない思いを忘れようとして
記憶を壊し 自分偽り
傷付けるのを拒んだ
誰も居ない孤独な場所も
人の視線探して
「誰か気付いてよ」
あの日聞こえた微かな声が
君の最後の言葉な気がして
「どうしちゃったの、ねえ」
「無視しないでよ」
いつか邪魔になるのなら
君なんてもう要らないや
いつか君が 呟いていた
聞こえない叫びを伝えようとして
瞼を腫らし 喉を枯らして
ただ非を叫んだ
形が崩れ 声も出せず
聞こえない叫びを伝えようとして
原形を捨て 扉を壊し
罪を成し君を葬った
耳に触れた生温い風が
僕の形を溶かした
そっと堕ちて瞼を閉じた
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