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オセロ
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作詞 哀流 |
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これほど悲しいことは初めてだ
自慢の白い毛皮が黒く染まっていく
それをお似合いだと言う神様は
一体僕の何を知っているんだろう
嘘で塗り固められた毎日は
冷えたアスファルトの様にひびだらけ
空腹で満たされた生存本能は
"他人を騙してでも"と命を漁って
走って 転んで 泣いた
猫を被って許されるのなら
声を荒げて散々喚くさ
耳元で囁く黒い声は
今日もまた"生きろ"と言うんだ
それから心の隅に追いやった
涙に濡れてひどく草臥れた理性を
いつも通りの夕闇のノックが
なんだか今日はやけに耳に残るんだよ
泥だらけ、ひとりぼっち、黒い猫
痩せたみすぼらしい顔をぶらさげた
神様に託された救いのお告げは
"隣人を愛せよ"だって 今更なんで!
歪んで 悔やんで 吼えた
人を愛して愛されるだって?
セオリー通りの映画じゃないんだ
白黒を彷徨う僕の色は
今日もまた黒いらしいけど
変だな 水たまりの中の
三日月みたいにやつれた
真っ白な顔は誰のだったの?
目を閉じればもう消えてしまうから
最後にひとつ鳴いてみせるよ
"生"に縋った小さな野良猫
声も掠れて冷たくなっていく
それでもなお強く黒い声は
"明日もまた生きたい"と言うんだ
猫を被って許されるのなら
声を荒げて散々喚くさ
寂しがり屋 ついに白い声は
愛さえも知らずに眠る
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