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罰=「痛み」
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作詞 吟花 |
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冷えた指先が痛かった
乾いた唇が切れて
赤が滲むそこよりも
左胸の方が痛かった
あなたに何がしてあげれただろう
泣かないで、と
願うばかりで何もしなかったわたしに
下る罰とは。
「呆れてるの?」
あなたは言う
「飽きたの?」
あなたは嘆く
突き刺すような冷たさで
わたしを抉りながら
あなたに何がしてあげれただろう
怖いのよ、と
逃げるばかりで向き合わなかったわたしに
下った罰とは。
「もう自由だよ」
あなたは微笑った
「ごめんね」
あなたは泣いた
「忘れて、いいよ」
できるはずもないことを
あなたは最後に言い残して
置き去りにされた記憶を
消すことさえもできずに ただ
冷えた指先が痛かった
泣き腫らした目が痛かった
あなたが隣にいない
空気が痛かった
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