|
|
|
始発の夢
|
作詞 能面 |
|
早朝5時の 人のいない始発の席で
少年はずっと思い出していた
昨夜のこと『相談があるの』という友達の彼女からのメール
涙をただ拭えればよかったのに
その背徳が 彼の余韻に輪をかけて
やがて目的地に着けば 彼は夢から醒めるだろう
早朝5時の 人のいない始発の席で
父親はそっと思い出していた
昔のこと 資料とファックスの影に埋もれた かつての家族の名前
娘の齢を数えるため 指を使った
その後悔が 彼の指先ダブらせて
やがて目的地に着けば 彼は夢から醒めるだろう
早朝5時の 誰もいない始発の席で
男はじっと考えこんでいた
中吊り広告 週刊誌のしょうもない見出し 目でなぞりながら
考えることはもっと他にあるんじゃないかって けど
その挑戦は 空しく終り目を閉じた
やがて目的地に着けば 彼は夢から醒めるだろう
光の中 闇の中に 解き放たれるだろう
|
|
|