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面(つら)
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作詞 悲喜仔 |
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霧に包まれし此の異世界に 足を踏み入れ早や幾月
気配と聲だけが響き合う 仮面と真実の夢舞台
サァ 貴方を曝しましょう 普段他人には見せぬ貴方を
サァ 貴方を暴きましょう 隠されし貴方の真実を
私は見せました 外では見せぬ女の面(つら)を
此の世の生き抜き方も 男のあしらひ方も識る
強気で気風の好い女
私が成りたかった「妾(あたし)」といふ面を
気配と聲は囁いた 「もっと 々 御見せなさい」
私は更に見せました わたしの中に居る少年の面を
難しい事は苦手で 売られた喧嘩は直ぐに買い
世界の頂点に立ちたい少年
私の脆さを庇ってくれる 強く優しい「僕」の面
気配と聲は問うてきた 「真の貴方を お見せなさい」
私は遂に見せました 誰にも見せた事の無い面を
心の奥底に一人隠れ 透明な硝子の世界を見てる
小さな小さな女の子
余りに無防備で其の儘では 直ぐに傷つく「わたし」の面
気配と聲は更に問う 「貴方らしい貴方を お見せなさい」
私らしい私・・・?
無邪気に走り回り 躓き 傷を負い 泣く子供
其の子を守ろうと牙をむく 喧嘩っ早い 青き少年
其の少年が外界に 押し潰されぬよう 微笑む女
其れがわたしを形成為てゐる
其れ以上に何が在る?其れを纏(まと)めて何と云ふ?
私は・・・誰・・・?
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