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テスト結果
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作詞 悲喜仔 |
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『心理テストです。
あなたはビルの非常階段を上っています。
向かいにはもう一つビルが建っています。
その屋上に人が一人、立っているのが見えます。
異性のようです。
さて、その人はどんな人ですか?』
高校一年の頃、友達に心理テストを出された
私は目を瞑って、想像した。
・・・私より一つか二つ、年上の
少し痩せ方のお兄さん。
白いYシャツに、青いジーンズを穿いている。
顔は・・・よく見えない。
『ハイ。その人は、あなたの“理想の人”です。
ふーん・・・と、そこで話は一旦終わる。
― 一年後。―
新学期になって、教室が変わった。
未だ来た事の無かった二年生のクラス。
その廊下を歩いて、ふと窓の外を見た。
― あ! ―
晴天の下、隣りの校舎が見えた。
その角度が、心理テストで想像したビルと重なった
その思った瞬間、屋上の、『彼』が立って居るべき場所が
キラリ
その、『彼』のシルエット状に輝いた、
気がした。
― ここだったんだ・・・。
いつか、本当に会えるのだろうか・・・。―
テスト結果が、そこまで暗示しているのかは
わからないけれど、
・・・そうであると信じたい。
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