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春に思ふ
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作詞 悲喜仔 |
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疲れた心持ちで 家路を辿る
ぽつり、通り雨が 頬に当たって来た
還ろうよ もう、休みたいよ
新しい事が 多すぎたの
大きな鞄を背負い ひたすら坂を下る
ふわり、弱い風が 頬を撫でて行った
何? 呼ばれた気がした
左の脇道 薄桃色
それはそれは、大きな桜
ずっと昔から、立って居たんだろう
空一杯に伸ばされた 花のドームに
包み込まれて 一人、思ふ
「あゝ、未だ花を“美しい”と 思へる内は
あたしは “人”で 在り続けられよう」
桜に魅入られて 立ち尽くして居たら
ざわ、大きな風が 花びらを巻き上げた
それはそれは、見事な花吹雪
桜が優しく、泣いているよう
目を覆うほどの、大きな吹雪に
全て包まれ 一人、思ふ
「あゝ、この光景を“天国”と 思へるのなら
人は “世界”に 在り続けられよう」
「人は“世界”を 愛せられよう・・・」
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