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摩天楼
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作詞 ニコル |
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難しい言葉の連続と
心の仕組みに嫌気がさして
薄暗い影から抜け出したくて
陽の当たる高い場所を目指した
険しい坂道を登って
幾つもの分かれ道を曲がって
その先でようやく辿り着いた
この町で一番高い場所まで
誰よりも太陽に近い僕
きっと暖かいんだと思っていた
周りにここより高い場所はない
太陽に当たりやすいように屋根もない
冷たい雨や風を凌げない
この町で一番寒い場所だった
話が違うと悪態ついて
自分の愚かさに苛立ちもして
それでも影には戻りたくなくて
光を支えに雨も風も耐えた
険しい坂道を登って
こんな場所へ人は来ない
そうしてようやく手に入れた
優しくしてくれる孤独と自由
やがて灰色の雲が流れて
スポットライトを隠してしまった
僕にだけ雨が降り風が吹く
他の人々は僕を屋根にして凌ぐ
どんどん身体は凍えてくる
どこまで損な役回りなんだ
頂点に立つ人の気持ちを知った
当てられるライトと同じくらいの雨風
それらを人に押しつけることなく
一人で懸命に闘っている人
逃げることなく立ち向かう人の気持ち
人を見下すためじゃない
自分を高めるためじゃない
僕は坂道を転げ落ちた
傷だらけになってホッとした
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